1/22ページ目 F1-1 向き合うこころ 感動の瞬間だと思っていた。 しかし 7年の間 待ち焦がれたその瞬間は 余りにもしずかで かえって 兄弟のあいだに 深い溝をつくってしまったようにみえる。 瞬きのあいだに 7年を失ったバージルの 青い焦りと戸惑いは いたいほど よくわかる。 それでも 慕い続ける兄の背を追って とぼとぼと行く ダンテも切ない ふたりの形だけの時間は 同調した。 しかし そのときに起こるはずの 空気の揺れも気配も まったくない。 「精神の同調・・・か」 弐伊は自分の力の及ばなさを 感じていた。 「あとは ふたりの 絆の力を 信じていよう・・・ *** 「にい・・・ちゃん・・・」 「・・・でかいのが にいちゃんとか いうなっ。 かっこわりぃ・・。 頼りなくって 泣き虫で ちびで いっつも 俺にまとわりついて 心配ばっか かけさせやがって ・・かわいくて あ〜あ、 それが 瞬きしたら こ〜んなにごつくなってるもんな。 もう びっくりだよ。」 「ご・・・ごめんね」 「なに 謝ってんだか。 おい、 手ぇ 出せよ。」 ダンテは おそるおそる 手を差し出した。 バージルがその手をとった。 「俺よりでっけぇ・・ がさがさだし・・ ・・ダンテ」 「・・・・・・」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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