DMCファンタジー「蒼い月」

「蒼い月」 ダンテ篇
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§D1 脱出

「人に混じれ」

と 四が言った。

§D1 脱出

「人に混じれ」

と 四が言った。

「混じれ?」
意味のわからないことばかりだったが
とりあえず ダンテは里をめざした。

いったい この先どうしたらいいのか
見当もつかず ダンテは 途方にくれるばかりだ。

里のはずれにかかったとき 
すれ違う人が皆 悲鳴を上げて 彼から逃げていく。

ダンテは血まみれだったし
大きな剣をずるずる 引きずっていた。
「あ・・・まずいよね、これ」

山の沢は 里へくだって 川になっている。
その川べりで 着物とからだを洗った。
ごろりと横になり
ゆっくり流れていく雲を眺める

なにも 考えたくなかった

ふと きがつくと すこしはなれたところにある渡しの船が
誰も乗っていないようなのに
がたがたと揺れている

剣を手にすると
恐る恐る
近寄ってみた

船の中では
黒い着物の男が女を組み敷いていた。

「うゎっ!」
こどもはウサギのようにのびのくと
猛然と逃げた。

男は 半身を起こし
その後姿を見た。
途中 思い出して 着物を取りに戻っては
またあわてて走って行く こどもの様子がおかしく、
しばらく声をあげて 笑っていたが
「さて、仕事の始まりだ」
そういって また 女におおいかぶさった。

***

「腹・・・減った。
山、 帰ろうかな。
・・・にいちゃん」
誰もいなくなった 山で こどもひとり どうしてやっていけばいいのか。
しかし この里にあっても それは 同じことだったのだ。

それでも 生き延びなければ・・・
兄は死んでしまったのではなく
「眠っているだけ」なのだ。
「かならず 起こしに行くから・・」

「働かせてもらえるのかな」
それも 不安だった。
いま ここの社の杜に来るまでも
「おかしな風体だ」と
ヒトから指をさされた。
「ネロ君は髪を染めたって言った」
でも その方法もわからない。








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