DMCファンタジー「蒼い月」

境界線第3章12区トラヴェルシエール通り27番
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<兄弟A>

しばらく 沈黙があった。

「いろいろ

<兄弟A>

しばらく 沈黙があった。

「いろいろありそうだな・・。
・・・おまえの目的は達せられそうか」
「どうかな・・・まようことばかりだ」
「自分探しの旅なんて、いちばん曖昧なんだからな」
「うん。
ところでさ、どぉ?学校」
「あ・・・ああ、さすが大学はちがうよな。
驚くようなことばっかだ、うまくやってるよ。
いや、こっちはいいよ。そっちはどうよ。

ひとりでさびしいんじゃないの」

最後の言葉は意味深な笑いを含ませていた。

「さびしかねぇよ。
そちらさんみたいに 毎日べったり引っ付いてなきゃ不安、とか
ないからね、俺たち。
四兄ぃは元気?」
「あいかわらずだよ」
「・・・」
「弐伊?連絡取ってないの?」
「今してみたけど、つながらない」
「おまえがそっちへ出かけてから
やたら仕事いれてるみたいだぜ」
「ヨーロッパにきてるんだろうか」
「どうかな、そっちは弐伊のテリトリーだろ。
でも 仮に行ってても お前に出会うのは避けるかもな。

予定はあと半年もない。
あっという間だぜ。
俺たち 会おうと思えば いつだって、スグに会える。
けど、それじゃ 意味ねぇもん。
今できること、めいっぱいやっとけ」
「うん・・・声が聴けてよかったよ」
「ああ、もうちょっとまめに連絡しろよ。
喧嘩相手がいなくて、もの足んねぇわ」
「そうする。
こんど寄るのは 弐伊のスポンサーにあたるうちなんだ。
女々しいこと抜きで いっぺん弐伊にも連絡とりたいな」
「そうだな。こんど会ったら 伝えておくよ。
センチになるなよ」
「わかってる。じゃ」

ダンテは名残惜しげに受話器をゆっくり置いたが
郵便局を出ると 気持ちを切り替えるように
一度 大きくエンジンを吹かした。

バージルはしばらく 「切る」ボタンをおせないまま
携帯電話を眺めていた。
しかし・・・
「負けるなよ、力を失った弱きニンゲンごときに。
やつらはしょせん 誇り高い魔族の亜種にすぎん」
そう つぶやいたのだった。


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