1/36ページ目 <Paleblueの影>@ *** アルプス山系を遠く右に見ながら走る道は快適で 点在するオレンジ色の屋根の家々と 林の様子は 童話の世界のようで なにかしら 愉快な心持ちにさせる。 しかし 「金がねぇ・・・」 バイクのガソリンが心配だ。 大容量のタンクに改造していたが、 リザーバタンク(予備タンク)に切り替えて ずいぶん走っている。 この先の町まで じきに到着するだろうが 小さな町のスタンドでは 弐伊から貰ったクレジットカードも 使えまい。 さらに 勢いで 大方の荷物をニシュにおいてきたが 「テントはもってくればよかった・・・」 と 悔やむほど、 朝晩の冷え込みが厳しく 頑丈なダンテも さすがに体にこたえていた。 カーブにさしかかり ギアをダウンしたところで カクンカクンと 急激に速度が落ちてきた。 「あちゃーーー、切れた」 ガス欠だ。 のろのろと バイクを押して歩き出したが 少々疲れ気味の体には いつもよりも 重く感じられる。 しかし 「俺は ついてる!」 じきに 道端に「ぶどう園」の看板を見つけた。 ぶどうの刈り取りと樽への仕込みに忙しい時期、 ダンテは うまく 日雇いの仕事と 仮宿をみつけた・・・ *** 意外なことに ダンテは 訪ねる先々で人受けがよく、 仕事と一宿一飯を頼んでは スムーズに事が運んだ。 ある家では このまま婿になれと泣きつかれ 断るのに一苦労したほどだった。 *** [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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