DMCファンタジー「蒼い月」

卒業〜graduation
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幕間の夜

***

「ダンテ、一緒に寝よ」
「な

幕間の夜

***

「ダンテ、一緒に寝よ」
「なんだよ、こわい夢でも見たのか、あまえんぼう」
「いいから もうちょっとそっちに よれよ」
「どうしたの?」

「おまえ 出発はいつ?」
「3日後・・・昨日も聞いてたぜ」
「1年?」
「うん・・・それも毎日聞いてる・・」
そしてダンテはバージルにからだを向け
続けた。

「ほんとは短すぎるかも」
「俺には長すぎる」
「兄貴は・・四兄ぃがいるじゃないか」
「それとこれは ちがうんだよ。
からだの半分を
失ってしまうような
・・・すこし 怖い」
「俺は、 兄貴も 弐伊も 四も
世界をも破壊してしまうかもしれない
自分自身が怖い。
その可能性があることを知ってしまった・・・

いつ 闇の俺が牙を剥くか わからない・・・」

「それは 俺も・・」
同じかもしれないと言おうとして
バージルはやめた。

テュルキスタの最後の朝にみた
自分の半身との出会いを
彼はまだ誰にも言っていない。

「ポータルっていっても
世界中にあるのに、どうするんだよ」
「いろいろ考えたんだけど、
今回はヨーロッパを東から西へ
辿ってみようかって、思ってる。」
「べつにバイクじゃなくても・・」
「空気に・・・
・・・
大気にからだを晒すんだ。
大地から その鼓動を感じるんだ。

そのあいだ 語り合うのは自分自身のみ
俺には その時間が必要だ

かっこつけてるように聞こえるかもしれないけど、
バイクに乗ると そんな感じがするんだよ。

できるだけキャンプを張って
つないで行こうと思ってる。」

「わかんね・・・そんなことしなくたって
ここにいたって
自分をみつめることできるだろ・・
だいいち 弐伊だって ・・・」

「・・わからずや。

また、
また 大事な人を壊してしまったら、俺・・・」

そこでダンテは顔を被い 
絶句してしまった。

希望に満ちた 明るい旅立ちをしようとしているのではなかった。
自ら試練にむかう
重い覚悟を背負っていた。

背を向けてしまったダンテに腕を回し
頬を寄せると
バージルは

明日 卒業の日、

新たに幕を開ける舞台がどうか喜劇になるようにと
祈ったのだった。



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