2/49ページ目 (プロローグ 囁く声A) 「まって。 いやだ!一緒にいて。 ・・・ 声が・・・」 「声?」 「声が聞こえるんだ。 だれかが 俺の頭の中に囁いてくる。 こわいよ。 だから・・・傍にいて・・ ひとりにしないで!」 「なんて言ってる?」 「よく わからない・・・ でも 俺を呼んでる そして 真実を知れ・・・と」 (冥王か・・・?) 四には 倒したはずの冥王のことが 頭をよぎっていた。 ただ それを口にすることは はばかられた。 バージルが幼い頃に受けた 心の傷をえぐり出すかもしれなかったからだ。 しかし その前に 彼自身から語られる。 「・・・あいつじゃない。 違う声なんだ・・・」 「おまえの様子がかわってきたのは 一、二週間前からだったろうか。」 「そう はじめは ただの夢だとおもった。 だけど 声は だんだん大きく、はっきりしてきた。 それで今日は 真実を知れと。 真実ってなに!? ・・・わかってる。 俺はダンテと違って 魔の影が濃い。 だから 誘われるんだ。 俺は どうせ 魔の手先に堕ちていく運命なんだ」 「お前が堕ちようとするなら 俺は その手をつかんでやる。 たとえ お前が俺の手を振り払おうとしても 俺は 負けないよ。 離さない。 縛り付けてでも 離すものか」 「四兄ぃ・・」 「休め。 ここにいるから」 四はバージルをコットンブランケットで包むと 肩から腕をそっとなでてやる。 バージルはほっとしたように ほほえむと じきに 四の膝の上で 寝息をたてはじめた。 「いったい こいつの中で なにが 起こっているっていうんだ・・・」 寝顔を見下ろしながら 四は 不安が染みのようにひろがるのを 感じていた [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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